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『エンプティー・チェア』読了

41632040081_3 「その椅子に座っていて、ライム!その椅子をからっぽにしないで・・・・」(『エンプティー・チェア』)

1作目ではあれほど死を望んでいたライムが、今回は麻痺克服へのわずかな望みを掛けて手術を受けるため、サックスとトムを伴ってノースカロライナ州を訪れ、そこで事件に巻き込まれます。勝手の違う土地での事件捜査に戸惑いと苛立ちを募らせる二人。そして、地元警察が犯人と判断した少年について、ライムとサックスの間で意見が対立、サックスは少年の無実を証明するために大きなリスクを伴う大胆な行動に出ます。それによってライムとサックスはどんどん追い詰められていくのですが・・・。

初めのうちは、前2作と比べてかなりテンポがゆっくり目の展開なので、なんとなく落ち着かない、いらいらした気分にさせられます。でも、こういう気分になること自体、既に作者の術中にはまっていたのだと後で気付きました。ライムとサックスが感じている、思うように捜査の進まない苛立ちと焦燥感、これを読者も体感しているのです。そして、サックスが行動を起こしてからは、一気に事が進み始めます。あとはもう、ただただ事件の成り行きがどうなるのか気になって、ページをめくる手を止められませんでした。

今回、ライムとサックスは自分たちの気持ちを見つめ直すことになります。自分の目の前にある空っぽの椅子に座っている人は誰なのか。その人に心から伝えたいことは何なのか。エンプティー・チェアというタイトルにも感心しました。

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